(C) 2020「望み」製作委員会
2020年10月9日全国劇場公開
映画『望み』のシニアおススメ度
映画『望み』のあらすじ
一級建築士の石川一登は、自らデザインした優雅な邸宅で、妻・貴代美や子供たちと幸せな毎日を送っていた。その日常は、ある日突然一変する。高校生の息子が無断外泊をした夜、同級生が殺害される事件が起きる。
それきり連絡が途絶えてしまった息子は事件への関与を疑われていくが、もう一人殺されているという噂が流れる。愛する我が子は犯人か、それとも被害者か？極限の家族愛を描く、サスペンス・エンタテインメント!!
映画『望み』のシニアが観た素朴な感想
家族の絆がひとつの事件を境にして崩れていく。
ネットを含む世間の風評が、輪をかけたように広がる。真実がわかりそれらは消えてゆくのだが、それまでの数日間の家族一人一人の心の変化、世間というものの物の見方が丁寧に描かれた作品だった。
室内に場面を絞った描写が一層父親、母親、高校受験を控えた妹の心を浮かび上がらせていた。堤監督の「人魚の眠る家」でも感心したのだが、特定の場面に絞った心理描写は筆者のような観客を魅了する。
堤真一、石田ゆり子の両親役もはまっている。見終わった後に余韻が残る映画は配役に適材適所という言葉が当てはまる人物が当てられているのだが、本作はその一つだと思う。
またマスコミの節操のなさや、ネット社会に変化しつつある時代の怖さもよく描かれている。匿名で意見を述べることのいい加減さ、怖さも感じ取れる。古希を迎える老人にも十分楽しめ、考えさせられることの多い作品だった。是非時間と、お金を使って見てほしい作品の一つだ。
映画『望み』のキャスト
堤真一 石田ゆり子
岡田健史 清原果耶
加藤雅也 市毛良枝 松田翔太 竜雷太
映画『望み』のスタッフ
監督：堤幸彦
原作：雫井脩介「望み」(角川文庫刊)
脚本：奥寺佐渡子