映画「プリシラ」をシニアが観た素朴な感想

2024年4月12日劇場公開

映画「プリシラ」のシニアおススメ度

14歳の少女プリシラはスーパースターのエルビス・プレスリーと出会い、恋に落ちる。

やがて彼女は両親の反対を押し切って、大邸宅でエルビスと一緒に暮らし始める。

これまで経験したことのない華やかで魅惑的な世界に足を踏み入れたプリシラにとって、彼のそばでともに過ごし彼の色に染まることが全てだったが……。

本作を見始めたとき、エルヴィス・プレスリーという若者と、１０代半ばの少女の恋物語のような感じがした。

物語が展開するにつれ、その意識は吹き飛び、若くして生涯を閉じたロックスターを妻の観点から見つめた作品だということが伝わってきた。筆者が少年時代から青年時代が本作の時代とマッチする。

同級生で大ファンがいて関連記事が出るたびに教室でワイワイと騒いでいたのを思い出す。少女の恋はあこがれから現実となり、妻と呼ばれるところまで到達する。しかし永久に保つことはできなかった。

相手の好みに自分を合わせ人格を隠して生きることは、短い期間なら可能かもしれないが永遠には無理だと思う。

その葛藤を少女役のケイリー・スピーニーが熱演している。プレスリーが薬に依存して、徐々に壊れていく様を演じたジェイコブ・エロルディもいい。妻のサイドから演出した監督もいい。老人に青春を思い起こさせる作品だった。

ケイリー・スピーニー
ジェイコブ・エロルディ
ダグマーラ・ドミンス

監督
ソフィア・コッポラ
製作
ソフィア・コッポラロレンツォ・ミエーリユーリー・ヘンリー
製作総指揮
プリシラ・プレスリーロマン・コッポラフレッド・ルースクリス・ハッチャー