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2024年2月2日劇場公開
映画「Here」のシニアおススメ度
映画「Here」のあらすじ
ベルギーの首都ブリュッセルに住む建設労働者の男性シュテファンは、アパートを引き払って故郷ルーマニアに帰国するか悩んでいる。
シュテファンは姉や友人たちへの別れの贈り物として、冷蔵庫の残り物で作ったスープを配ってまわる。
ある日、森を散歩していた彼は、以前レストランで出会った中国系ベルギー人の女性シュシュと再会し、彼女が苔類の研究者であることを知る。シュテファンはシュシュに促されて足元に広がる多様で親密な世界に触れ、2人の心はゆっくりとつながっていく。
映画「Here」をシニアが観た素朴な感想
本作は、前作に続きバス・ドゥヴォス監督の長編第4作だ。
この監督の特徴は、自分が生活の根拠を置いているベルギーという国の中で暮らす一般の人々の日常を、さりげなく切り取り、場面展開ごとに自然の情景、一部ギター音楽を織り交ぜるところではないかと思う。
(個人の感想なので解釈が間違っていたらごめんなさい)。本作でも随所にその技法が見受けられ、少しも物語を邪魔していないように見受けられる。
主人公は建設現場で働くルーマニアからの労働者。彼が休暇で故郷に帰るまでの数日の出来事を、中国人の女性学者との出会いを絡めて淡々と描いている。これから何か展開があるのじゃないかと思わせるところで急に物語は終了する。その余韻が筆者は好きだ。観客に想像の余地を残しているところがいい。主人公が他国での生活に疲れ故郷を思うときに異性と知り合う。二人の関係はどうなるのか。勝手に考えてねという演出が自然を長く描写する画面とよくマッチしているように思われる。
映画「Here」のキャスト
シュテファン・ゴタ
リヨ・ゴン
サーディア・ベンタイブ
テオドール・コルバン
映画「Here」のスタッフ
監督
バス・ドゥボス
脚本
バス・ドゥボス
撮影
グリム・バンデケルクホフ