映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」をシニアが観た素朴な感想

(C)五十嵐大/幻冬舎 (C)2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会

2024年9月20日劇場公開

映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」のシニアのおススメ度

映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」のあらすじ

宮城県の小さな港町。耳のきこえない両親のもとで愛情を受けて育った五十嵐大にとって、幼い頃は母の“通訳”をすることもふつうの日常だった。

しかし成長するとともに、周囲から特別視されることに戸惑いやいら立ちを感じるようになり、母の明るさすら疎ましくなっていく。複雑な心情を持て余したまま20歳になった大は逃げるように上京し、誰も自分の生い立ちを知らない大都会でアルバイト生活を始めるが……。

映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」をシニアが観た素朴な感想

本稿は試写観覧後に作成しています。

本作は「聞こえる世界」と「聞こえない世界」をコーダ1として成長した「大」という青年とその母親の物語だ。なんと28年間を描いている。

感じる部分は多いのだが筆者が印象深かったのは母親が息子の声が聞きたいばかりに高価な補聴器を購入し、大の声を聴いて興奮する場面。言葉の意味を理解しているとは思えない母の愛情を強く感じた。また手話のテンポがいい。

普段から手話を会話の手段としている人々をキャスチングしたそうだ。家族、友人、手話グループの仲間と交流することによって大は人間的にも成長する。久しぶりにストーリーに吸い込まれるような状態になってしまった。ぜひスクリーンで様々な思いをじっくりと味わってほしい。老人の表面だけをかじった文章では書きつくせない。筆者としては「駅」で犯人の妹役を熱演した烏丸せつこが祖母役で登場したのがよかった。

映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」のキャスト

五十嵐大 吉沢亮

五十嵐明子 忍足亜希子
五十嵐陽介 今井彰人
河合幸彦 ユースケ・サンタマリア
鈴木広子 烏丸せつこ

映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」のスタッフ

監督
呉美保
原作
五十嵐大
脚本
港岳彦