映画『８２年生まれ、キム・ジヨン』をシニアがみた素朴な感想

2020年10月9日新宿ピカデリー他全国ロードショー

映画『８２年生まれ、キムジヨン』のシニアおススメ度

結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨンは、母として妻として生活を続ける中で、時に閉じ込められているような感覚におそわれるようになる。

単に疲れているだけと自分に言い聞かせてきたジヨンだったが、ある日から、まるで他人が乗り移ったような言動をするようになってしまう。

そして、ジヨンにはその時の記憶はすっぽりと抜け落ちていた。そんな心が壊れてしまった妻を前に、夫のデヒョンは真実を告げられずに精神科医に相談に行くが、医師からは本人が来ないことには何も改善することはできないと言われてしまう

筆者世代の男性には頭では理解していても、実体験としては理解しきれていない世界の話だと思う。筆者が以前勤務していた会社を定年で退職する数年前から、会社内でのセクハラ、パワハラ等のハラスメントが注目され、改善されつつあったように思う。

女性が家庭を持ち、子供を産み、仕事をこなすという事に、男性や社会が理解を示さないと本作の主人公キム・ジヨンのような事例はなくならないのではないか。

キム・ジヨンを演じているチョン・ユミが普通の女性が就職、結婚、子育て、夫との実家、自分の実家との付き合いの中で、女性であるというだけでいろいろな制約を受けながら、徐々に精神がやんでいく様を熱演している。夫役のコン・ユも何とかジヨンを理解しようと努力する姿を熱演している。

女性の目で本作を見ると作中の様々な出来事が、あるあると思われるのではないか。本作の原作本もヒットしたようだが、男女を問わず、できるだけ多くの人に観賞して欲しい映画だと思う。公開が待たれる。

チョン・ユミ

コン・ユ

キム・ミギョン