映画「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」をシニアが観た素朴な感想

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2022年5月20日全国劇場公開

映画「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」をシニアおススメ度

映画「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」のあらすじ

文化大革命まっただなかの1969年、中国。造反派に歯向い、強制労働所送りになった男(チャン・イー)は、妻と離婚し、最愛の娘とも疎遠になってしまう。

数年後、22号というニュース映画に娘の姿が1秒間映っているという話を聞いた男は、娘を一目見たいがために危険を冒して強制労働所を脱出。逃亡者となりながらも砂漠の中を映画が上映される予定の村を目指して進んでいく。

しかし、逃亡者は村へ向かう途中、大事なフィルムを盗み逃げ出す孤児のリウ(リウ・ハオツン)の姿を目撃する。

村までたどり着いた逃亡者は、すぐにリウを見つけ出し締め上げ、盗んだフィルムを映写技師のファン(ファン・ウェイ)に返すのだった。

だがそんな時、村では大騒動が勃発!フィルムの運搬係の不手際で膨大な量のフィルムがむき出しで地面にばらまかれ、ドロドロに汚れたフィルムは上映不可能な状態に…。しかもその中には逃亡者が血眼で探していた、22号のニュース映画の缶があった。

果たして逃亡者は愛しい娘の姿を見られるだろうか?そして、追われ続ける彼の運命は―?

映画「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」をシニアが観た素朴な感想

今その名前を見ただけで、映画を見てみたいと思わせる監督の一人であるチャン・イーモウの最新作。この監督の作品は筆者が見た限り、映像によって観覧者を作品の中に引きずり込む力があるように思える。

本作は現代中国の権力闘争の一つとされている文化大革命下の農村を舞台としている。別れた娘の顔見たさにフィルムを追いかける男と、弟のためにフィルムを手に入れたい孤児の少女。この二人を軸として物語は展開する。

娘の顔は長いニュースフィルム中1秒しか映っていない。それを何度も繰り返してみている男の表情が切ない。男は最後には保安員に捕まり、砂漠の中を連行される。連行される前に少女のためにフィルム上映員に願いをし聞き届けられる。

またフィルム上映員は男に娘が映っているフィルムをそっと渡す。でもフィルムは砂漠の砂に埋もれてしまう。物語のラストまでフィルムと砂漠を際立たせている。観終わって、何とも言いようのない感情が残る。この微妙な感情を是非味わってほしい。

映画「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」のキャスト

チャン・イー
リウ・ハオツン
ファン・ウェイ

映画「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」のスタッフ

監督・脚本:チャン・イーモウ

脚本   :ヅォウ・ジンジー