(C)Studio-D
2023年12月22日 劇場
映画『ちっちゃいサムライ 三浦正雄の子供時代』のシニアおススメ度
映画『ちっちゃいサムライ 三浦正雄の子供時代』のあらすじ
終戦直後、北海道に疎開していた14歳の三浦正雄は家族を捜すために向かった樺太でソ連当局に逮捕される。
日本から8000キロ離れたカザフスタンに流刑となった三浦は、53年もの間をカザフで過ごし、後年、現地の自然保護官としても活躍した。
過酷な運命に傷つきながらも、世界でも珍しい淡水と塩水の性質を持つバルハシ湖・イリ河流域で大自然と人びとのやさしさに心癒やされながら生き抜いた三浦の少年時代を描いていく。
映画『ちっちゃいサムライ 三浦正雄の子供時代』をシニアが観た素朴な感想
本作は二部構成になっていて初めに少年の身でありながらカザフスタンに抑留されていた時代。後半で帰国後、妻に生前のソ連時代の個人生活を含め正雄を語らせている。
少年時代周囲の人々のやさしさで重労働をさせられなかったことは救われる。途中日本らしき風景が随所に差し込まれていたが唐突感が強く、不自然ささえ感じた。ソ連という国家の理不尽な行為も浮き彫りにされている。
集団の中でも国家の考えに反するような行為は反逆罪の対象になるとは。たとえ人々のためであったとしても。
なんでもない日常の中に独裁国家の恐怖が浮かんでくる。正雄はソ連崩壊後帰国し札幌で妻や子供たちと２０年近く生活できたらしい。後半の妻のインタビューで幸せな生活だったことが伺える。
シベリア抑留という理不尽な行為は日本国民の記憶の彼方になりつつあるように思われるが、時にこのような逸話に絡めてでも記録として残しておくことは必要である。三浦正雄氏のご冥福を心からお祈りして。
映画『ちっちゃいサムライ 三浦正雄の子供時代』のキャスト
アクタン・アリム・クバト
サマル・イスリャモバ
ダレジャン・ウミルバエフ
佐野史将
映画『ちっちゃいサムライ 三浦正雄の子供時代』のスタッフ
監督
佐野伸寿
脚本
佐野伸寿
製作総指揮
佐野伸寿