映画「密輸　１９７０」をシニアが観た素朴な感想

2024年7月12日劇場公開

映画「密輸　１９７０」のシニアおススメ度

970年代半ば。韓国の漁村クンチョンでは海が化学工場の廃棄物で汚染され、海女たちは失業の危機に瀕していた。リーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負うことに。

しかし作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友チュンジャだけが現場から逃亡する。

2年後、ソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかける。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンらさまざまな者たちの思惑が入り乱れるなか、海女たちは人生の再起をかけた大勝負に身を投じる。

試写を観終わった後に本稿を記入しています。

この監督の長編を眼にするのは本作で２作目だ。前作「モガディシュ　脱出までの１４日間」でも感じたが、ストーリー展開の速さ、最後まで観客を飽きさせない登場人物の変化には驚かされる。

また本作では作品の背景となっている１９７０年代の韓国内で流行したと思われる歌謡曲が流れ、筆者が若いころに記憶している日活映画を思い出させた。

主人公は海女を生業としており、化学工場の建設でやむを得ず密輸に手を染めるようになる。それからの流れは観客がスクリーンで観てほしいのだけれど実は…・と変化がすさまじい。

役人、密輸王、地元のチンピラ、主人公を中心とした海女たちの四者による金塊争奪戦が開始される。

陸上での争いもすさまじいものがあるが、海中での海女たちの知恵を絞った戦いも観ごたえ十分だ。

暑さなんか吹き飛ばしてくれるようなすごさだ。劇場に足を運ぶ価値ありの作品だと思う。

チュンジャ
キム・ヘス

ジンスク
ヨム・ジョンア

クォン軍曹
チョ・インソン

ドリ
パク・ジョンミン

監督
リュ・スンワン
脚本
リュ・スンワンキム・ジョンヨンチェ・チャウォン
撮影
チェ・ヨンファン