シニアが映画『多十郎殉愛記』をみた素朴な感想

4月12日(金) 全国ロードショー

©「多十郎殉愛記」製作委員会

映画『多十郎殉愛記』のシニアおすすめ度

映画『多十郎殉愛記』のあらすじ

幕末の京都。そこは尊皇攘夷を叫ぶ長州や薩摩脱藩志士が、新撰組や見廻り組と血で血を洗う抗争を繰り返していた。

そんな中、長州を脱藩した清川多十郎は、かつての尊皇攘夷の夢もどこへやら、日々の糧を得るのが精一杯という生活を送っていた。居酒屋「満つや」を切り盛りするおとよは、同じ長屋の住人で店の用心棒でもある多十郎に好意を寄せているが、肝心の多十郎は気づかない……。
ある日多十郎の腹違いの弟・数馬が兄を頼って上洛してきた。数馬は幼い時から多十郎を慕い、多十郎の脱藩は尊皇攘夷の為だと信じていた。

新撰組に押され気味の見廻組は、町方からの注進で多十郎の存在を知り、新撰組にひと泡ふかせようと多十郎を襲撃。多十郎、おとよ、数馬、それぞれの想いを胸に死闘が繰り広げられる。

そして三人の運命の結末は……

映画『多十郎殉愛記』の予告

映画『多十郎殉愛記』をシニアがみた素朴な感想

ずいぶんと久しぶりに「監督 中島貞夫」の名前をエンドロールで見た。

昔、筆者が若く、世の中が学生運動で注目を集めていたころ「くノ一忍法」でデビューし、東映の実録やくざ路線の一翼を担った人物だ。

くだらないと思われる映画もずいぶん撮っていた記憶があるが(あくまで筆者個人の感想です。関係者の方々ゴメンナサイ)、一定の条件下で一途に生きる人々を表現させるのが上手だった記憶もある。

本作も多十郎とおとよという男女の決して交わることのない愛情を、幕末という時代背景の中で描いている。

二人の男女を演じるのは高良健吾と多部未華子、熱演している。多部未華子はもう少し年齢を重ねていくと、もっと演技の幅が広がるような気がする。

多十郎の腹違いの弟や京都見廻組(幕末ものではいつも新鮮組の影)が二人に絡んでいく。チャンバラ映画として飽きが来ない。福本清三や三島ゆり子も画面に出ていて筆者世代には安心感がある。時代劇というよりチャンバラ映画を楽しみたい人には最適の映画だ。

映画『多十郎殉愛記』のキャスト

清川多十郎  高良健吾、

おとよ    多部未華子

清川数馬   木村了

映画『多十郎殉愛記』のスタッフ

監 督 中島貞夫

脚 本 中島貞夫 谷慶子