映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」のシニアおススメ度
映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」のあらすじ
2000年代初頭。イランの聖地マシュハドで、娼婦を標的にした連続殺人事件が発生した。
「スパイダー・キラー」と呼ばれる殺人者は「街を浄化する」という声明のもと犯行を繰り返し、住民たちは震撼するが、一部の人々はそんな犯人を英雄視する。
真相を追う女性ジャーナリストのラヒミは、事件を覆い隠そうとする不穏な圧力にさらされながらも、危険を顧みず取材にのめり込んでいく。
そして遂に犯人の正体にたどりついた彼女は、家族と暮らす平凡な男の心に潜んだ狂気を目の当たりにする。
映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」をシニアが観た素朴な感想
本作はイランの聖地マシュハドで実際に起きた16件の殺人事件を題材にしているそうだ。
ラヒミという女性の記者が取材する過程で犯人を追い詰めていくサスペンス性と娼婦殺人という罪と人命に対する司法当局の考えが作品の軸になっている。
犯人は娼婦を聖地を汚すごみのような存在と考えいともたやすくその生命を奪っていき、犯行を重ねる。
市民の中にはその行為を称賛する人もおり、逮捕後の裁判は紛糾する。途中に何回も犯人の日常の家族との団らん場面が挿入されており、平和な顔と殺人を犯すときの顔との差を際立たせており興味深い。
犯人は娼婦が町を汚す存在だと考え、最後まで自分の考えを曲げない。司法当局は有罪の結論を出すが最後まで刑は執行されるのか、記者はしつこく見届けようとする。
どうなるかは劇場に足を運んで確認してほしい。犯人の子息が記者のインタビューに答え、父がどのような手口で殺人を犯したか、淡々として語る場面には思わず寒気を覚えるほどだ。司法に対する考えを確認させる作品だった。
映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」のキャスト
メフディ・バジェスタニ
ザーラ・アミール・エブラヒミ
映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」のスタッフ
監督
アリ・アッバシ
脚本
アリ・アッバシ アフシン・カムラン・バーラミ
撮影
ナディーム・カールセン
編集
ハイデー・サフィヤリ オリビア・ニーアガート=ホルム
音楽
マーティン・ディルコフ