映画「プラハの春 不屈のラジオ報道」を見たシニアの素朴な感想

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 2025年12月12日劇場公開

映画「プラハの春 不屈のラジオ報道」のシニアおススメ度

映画「プラハの春 不屈のラジオ報道」のあらすじ

社会主義国家の政府による検閲に抵抗し、自由な報道を目指して活動しているチェコスロバキア国営ラジオ局の国際報道部。中央通信局で働くトマーシュは、上司からの命令により報道部で働くことになる。

それは、学生運動に参加している弟パーヤを見逃す代わりに、報道部と同部長のヴァイナーを監視する国家保安部への協力を強いるものだった。やがて報道部で信頼を得たトマーシュは、さまざまな仕事を任せられるようになる。真実を報道しようとするヴァイナーや局員たちの真摯な姿勢に触れ、弟への思いと良心の呵責との間で葛藤するトマーシュ。

そんな中、民主化運動による「プラハの春」が訪れる。国民が歓喜する中、中央通信局に呼ばれたトマーシュは、驚くべきある内容をラジオで報道するよう命じられる。

映画「プラハの春 不屈のラジオ報道」をシニアが観た素朴な感想

「プラハの春 不屈のラジオ報道」監督イジー・マードル

「プラハの春」という言葉を聞いて、すぐに1960年代後半に起こったチェコスロヴァキアの政治活動だと気づく人は筆者と同年代だと思う。

当時日本では全共闘運動が盛んで大学は荒れ、一部高校にも兆しが見えていたように記憶している。本作はチェコの活動が、当時のソ連、ワルシャワ条約機構の軍により武力で制圧されたとき、最後までラジオ放送で抵抗した放送局員達を描いている。

共産主義国家で自由に報道することの困難さがよくにじみ出ている。参加した記者たちの緊張感を感じ取れた。

政府に都合の悪い報道を抑圧することは現代の独裁国家でも行われており、報道とは何かというテーマを感じられる作品にもなっている。ラジオ局では制圧された後、多くの職員が解雇され80年代後半のソ連崩壊まで困難な生活を強いられたそうだ。報道の在り方をあらためて考えてみる機会になる作品だと思うし、我々読者もその中身を考えるいい機会になる作品だと思う。

映画「プラハの春 不屈のラジオ報道」のキャスト

ボイチェフ・ボドホツキー
スタニスラフ・マイエル
タチアナ・パウホーフォバー
オンドレイ・ストゥプカ

映画「プラハの春 不屈のラジオ報道」のスタッフ

監督
イジー・マードル
脚本
イジー・マードル
撮影
マルティン・ジアラン